かわさき市民オンブズマン会報 第36号

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***もくじ***

● 「主張」懲りない「談合」仲間、さてその追及をどうするか(代表幹事:篠原義仁)
● KCTに関わる疑問と問題点(望月文雄)
● 裁判官交代で、結論は?三田工業原状回復訴訟の判決日決まる(渡辺登代美)
● FAZへの貸し出しの意味、川崎市が37億円を貸し出す(江口武正)
● 市営地下鉄に関する市民1万人アンケートを読む(川口洋一)
● 十字路
   ・1万人アンケートで感じた事(佐々木玲吉)
   ・佐藤貞男格言新集ーその16「和こそ世を救う」(佐藤貞男)
   ・空疎なる愛国心(室 玲児)

● 会計報告

主張:懲りない「談合」仲間、さて、その追及をどうするか
代表幹事  篠原義仁



1  7月3日、新聞各紙は、東京都が発注する水道メーターの競争入札をめぐって、メーター製造業者が繰り返し

 談合していたとして事件を摘発した。「19 社で入札調整」「独禁法違反で4社の4幹部を逮捕」。97年3月に水

 道メーター談合で25社、35人が起訴されたのに、またまた懲りない業界の談合摘発となった。

2  水道メーターの取替は、1件あたりの単価は安いものの、8年に1回、その取替が義務づけられているため、

 そして全戸の取替が必要のため、数ヶ月に1回の割にある地域で、ある町内を対象にして入札がくり返される。

  その意味で安全、確実な取引で、数量がかさめば「おいしい事業」で、水道メーター業者にとっては絶好の

 狙い目となっている。

   しかし、97年の刑事告発以来、談合は中断し、9000円台であった入札価格は、正常値としての約3分の1の価

 格に下落した。

3  今回の談合は、それでは「採算が取れない」として、再び、01年から「受注割合」の調整と談合の再開を図

 ったもので、東京都関係が再び事件の対象となった。しかし、水道メーターの入札は、全国各地で同様の手続

 で実施されるもので、全国共通の問題となっている。

  従前の談合は、「6対4」の「受注割合」で大手企業優位のものであったところ、今回の場合は、大手の一角

 の東洋機器が自社の受注増をめざして談合破りを実施し、安値入札に動いて談合が破綻したことを契機として

 いる。そのあおりをうけて、業界の中小が「4 割確保」もできなくなり、中小のとりまとめ役が、談合の幹事

 会社の大手「愛知時計電器」にクレームをつけたのが発端とされている。

  その結果、「受注割合」が「5対5」に変更された。その上で、再度の談合体制が確立し、談合を前提に高値

 入札と落札が実行された。

4  「97年告発」を対象とする水道メーカー談合追及の住民訴訟は、下水道談合事件の最高裁判決を契機に各地

 で大きく前進し、被告水道メーカーは責任を認め、裁判所提案に基づく裁判上の和解を受け入れるところとな

 った。

  ちなみに、横浜地裁では、5 月に神奈川県、横浜市関係(議会承認不必要)で和解が成立し、議会承認が必要

 な川崎市関係では6月議会承認を経て、7月18日に和解が成立する。

  新聞報道には表れていないが、川崎市北部病院談合事件監査請求につづき、私たちの活動が、水道メーター

 業者から損害賠償金を引き出したことによって(何もしない川崎市を横におき、またまた)市財政の健全化に寄

 与するところとなった。

5  たび重なる談合、そして、同じ業界、同じ業者による談合は、談合の根深さを市民の前に示し、その改善に

 は根本的な入札制度の改革が必要であることを示している。オンブズマンは、すでにその改革案を提示してい

 るが、川崎市は一部改善をしたものの、オンブズマン提案の全面採用には至っていない。

  改革の完全実施、談合実態解明と監査請求の重要性は変わらない。同時に、今度ばかりは、行政自身の自立

 した損害賠償請求を期待したいものである。




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KCTに関わる疑問と問題点(望月文雄)
                                



 7月23日午後、私は川崎市のホームページを開いて、出資法人の点検評価結果項目を探したが無い。翌日、キー

ワード検索に「出資法人」といれて検索のボタンをクリックした。出て来たフロントページから、KCTの名前に

マウスのポイントをあわせてクリック。阿部市長になって最初の「出資法人点検評価結果」のページが出て来た。

 「第三セクターは全面的に見直しします」と約束したのに、市のホームページ・フロントに出資法人の窓が一つ

も無いとは何事だと、怒りの感情がこみ上げる。が、我慢して、KCTの部分をプリントアウトする。



7月25日朝、再び市のホームページを開くと、フロントの4行目に「14年度出資法人の経営状況等」の点検評価報告

書という項目がある。項目欄をクリックすると「平成15年」という見出しで新しい報告書の一覧表があり、各法人

名をクリックすれば開示される仕組みになっていた。チェック項目が9 あり、KCTはA評価を5、B評価を4と付

けた経営状況評価結果報告書(4頁)があった。早速プリントアウトして代表幹事へFAX送信する。



 正式な名称は「平成13年度 出資法人経営状況等点検改善評価措置中間報告」27「かわさき港コンテナターミナ

ル(株)」というものだ。私が注目したのは 27−5【財務状況・総合所見】の欄、そこには、「債務超過の状態が

継続しており、金融機関等からの借入金や長期未払金の返済方針を関係者間での合意により確定させる必要があり

ます。【財務状況】  短期借入金54億円と長期未払金11億円の返済方針について、関係各者間での合意によりな

るべく早期に確定させることにより、事業に専念できる経営体制を築いていくことがのぞまれます。【総合所見】

とあった。その項の措置内容に「現在、経営陣で策定した中長期計画案では、短期借入金と長期未払金の一部につ

いて、RMG売却金が入った時点で返済することになっている。」というコメントがある。私にはRMG売却金と

いう意味が不明で、GoogleでRMGをキーワードに検索しましたが、港湾に関係する分野では発見できない。



 27−8【活動成果】には「財務内容が公開されていません」という指摘があり、〔措置内容〕の中に「施設概要

や事業内容について、ホームページを開設しました。決算後、ポームページに財務諸表を掲載します。」というコ

メントがある。 即、KCTのホームページもGoogleで検索したが出ない。横浜市のホームページから港湾関係の

リンク先を辿って、やっと到着した。

 ページをチェックしていくと、スケジュール1 にOOCL、TSK、WAN HAI、NAZIX、CMA-CGM 5社が海運コースの地

図添付で掲載され、スケジュール2では、今まで一度も報告書に記載されたことのない7社が海運コース地図付きで

紹介されている。寄港してコンテナを取り扱った実績があるのだろうかという疑問が沸く。



 7月26日午後、私は公文書開示請求書を作った。開示請求に係わる公文書の名称又は内容は次の通り。

 かわさき港コンテナターミナル株式会社設立に関する資料

1. 川崎港コンテナ問題委員会会議議事録

2. 市場調査の有無と調査資料

3. ガントリークレーンの稼働記録

4. OOCL,TSK,WAN HAI,NAVIX,CMA-CGM 5社の寄港回数、創設以降のもの

5. 上記5社以外の、かわさき港コンテナターミナル株式会社ホームページに記載された7社の寄港記録

6. 平成15年度「経営改善計画の骨子案」

7. 平成15年度「出資法人点検評価結果」に発表された、かわさき港コンテナターミナル株式会社報告書内、

  27−5の項目の措置内容の文言「RMG売却金」の意味と内容    以上



2週間後に開示されるはずで興味深い。今まで私が入手した資料には「市場調査」の文言が一度も現れてこない。

    

2003年7月26日記





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裁判官交代で、結論は?
三田工業原状回復訴訟の判決日決まる (渡辺登代美)



 今年の4月に、横浜地裁第1民事部の岡光民雄裁判長が転勤し、川勝隆之裁判長に交代しました。川勝裁判官は、

公害訴訟やハンセン病裁判など国を相手とする裁判について、裁判官を一時休職して国側の代理人として訴訟活動

を行なう省務検事というものを長い間やっていた人だそうです。それだけに、交代当初から、国など権力側に偏っ

た判断をするのではないか、と危ぶまれていました。

 ご存知のとおり、横浜地裁第1民事部では、川崎縦貫道汚職事件の高裁判決に従い、川崎市に対して原状回復

(三田工業に対して売買代金を返還し、大師河原の土地を取戻すこと)を、大師河原の土地に対して抵当権をつけ

ている金融機関に対して抵当権抹消登記をすることを求めて住民訴訟を行なっています。前の岡光裁判官は、三田

工業に対して大師河原の土地と大島の土地の両方とも、売買契約を無効とする判決を書いた裁判官です。自分が書

いた判決につき、その内容が実現できていないからということで、再度裁判が起こされるなどという例はほとんど

ないと思います。そのせいもあったのでしょうか、岡光裁判官は私たちオンブズマン側に協調的な訴訟指揮をして

いました。

 ところが川勝裁判官は全く違います。「前の裁判官とは考え方が違うかもしれないが」と前置きした上で、7月

9日に結審しました。判決言渡しは、10月29日(水)午後1時15分に予定されています。

 金融機関に対する判決がどうなるか、これはある程度予測がつきます(但し、一応私も弁護士なので敢えて書く

ことはできませんが)。川崎市に対してどのような判断をするかが、川勝裁判官の姿勢を見通す試金石ともなる判

決です。

 現在、住民訴訟は、最高裁の通達によって地方裁判所の支部では行なうことができません。私たちの地元である

川崎の裁判所では審理をすることができないのです。3月31日に提訴した、KCT(川崎港コンテナターミナル

株式会社)に対して会社整理の申立てをしないことは、川崎市がその財産管理を怠っているのだという住民訴訟も、

同じく第1民事部の川勝裁判長の審理するところとなっています。制度が変更されない限り、今後、しばらくの間

は川勝裁判官の下で住民訴訟を闘わなければなりません。

 裁判官の性向は、私たちの闘い方の方針にも、裁判の結論にも大きく影響します。私たちに対する川勝裁判官の

初めての判決です。大いに注目しましょう。

 

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FAZへの貸出の意味・川崎市が37億円を私企業に貸出
 (江口武正)



 川崎市は「かわさきファズ株式会社」(FAZ)に対して37億円の巨額貸出を6月補正で決定した。金融機関からの

新規融資を拒絶され、やむなく川崎市が銀行に代わって融資をしたわけである。



 その経緯は次のようである。

 FAZ は初期投資が巨額であり、30年ローンという長期の運用が当初から必要であったが、金融機関に長期貸付の

対応がなく、15年ローンを組み、不足分は別に毎年の新規融資で賄うよう計画されていた。

 しかしながら、14年より金融庁の指導マニュアルで「2年連続赤字決算会社にたいして新規融資はできない」こと

が明示され、借入れが出来なくなり川崎市に泣きついたのが実情であろうか。川崎市には港湾整備事業基金積立金

が70億円ほどあり、その中から充当するそうである。70億円のうち半分は用途がすでに固定されており、今回の取

り崩しでこの基金も底をうつ。FAZへの貸付利息は年間0.6%で同基金の過去の運用0.03%をうわまわるとの言い訳の

説明もあり。また金融機関からの借入金は返済期間を延長するとともに0.25%程度引き下げおこなうとのことだ。



 FAZは入居率も一応100%であり、KCT に比較するとまだましな経営状況であるが、37億円を貸出す説明が不足し

ており、今までの地代免除、固定資産税1/2減額、権利金残額(185億円)に係る利息請求権の放棄に加え、今回何

故37億円も貸出すのか根拠が曖昧である。

 FAZ の一層の経営合理化、経営努力(=経営改善案の策定と実行)を貸出しの前提にしているが、これで完全に

立ち直れる保証も無い。回収が非常に困難な初期投資を決定した責任についても糾されていない、キャッシュ・フ

ローがしばらく安定し安易な経営に逆戻りしないことを祈るのみである。

 我々が当初より提案していた銀行利子が今回低減されたが、もっと早く実施すべき課題であり、やっと真剣に経

営を考え出した段階と判断したい。

 マイカルの撤退の問題もあり、経営は油断すればすぐに下向くものである。市民、議会の厳しい監視の継続が欠

かせない。

 

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十 字 路
● 地下鉄1万人アンケートで感じた事(佐々木玲吉)



 川崎縦貫高速鉄道線、いわゆる地下鉄建設についての市民1万人アンケート調査の結果が6月9日発表されました

(回収率73.8%)。その結果にもとづいて6月16日市長は市議会で地下鉄工事着工延期の決断をされました。

 そもそも川崎は1924年(大正13年)川崎町、大師町、御幸村の合併で市制を施行して以来、多摩川沿いに北西へ

と町村を併合し続け現在の細長い市域を形成してきたものです。それは臨海部埋立の土砂、岩石、そしてセメント

原料の石灰石等を多摩川の上流より運ぶと言う事で市制の整合性があったものでしょう。

 しかし今川崎は当時とはまったくその様相を異にしています。北西部は東京・横浜のベッド・タウンであり、シ

ョッピングも殆どの人が東京・横浜へ行き、川崎区へ来る人はまずいない。又川崎区の人達は百合丘だ鷺沼だとい

ってもピンとこないし、訪れた事もない人が圧倒的です。そこから川崎北西部の人達と南東部の人達とでは生活態

度と意識の上で差が現れてきているのも事実です。

 そこで一つの提案をします。川崎の北西部と横浜の北部、即ち青葉区、都筑区、港北区等を合併して一つの市域

を作ってはどうでしょう。すでに衆議院議員の選挙区では横浜の青葉区と川崎の宮前区が合体して8 区となってい

ます。又、横浜の鶴見区は川崎区と共通する面が多くある事は人々の認めるところです。そこで川崎の南東部は鶴

見を加えるのも一案でしょう。これらは当然の事ながら住民の同意を得る事は必要です。



 以上を前提として、新たな都市作り、地下鉄を含めた交通網は考えるべきだと思います。やたら細長い川崎市を

所与のもの、不動のものとし縦に結びつける事のみを考えるから費用が嵩み、利用率の悪いものが出来上がってし

まうのではないでしょうか。すでに住民は行政の意志とは別方向を向いているのです。今回の1万人アンケートは

その事を如実に物語っています。

 地下鉄が開通した場合に「利用すると思う」とする回答の比率は全市で21.8%、「利用しないと思う」が59.2%

となっており、区別では「利用すると思う」が宮前区38.6%、麻生区30.4%、多摩区14.6%、川崎区14.0%、「利

用しないと思う」は多摩区70.7%、中原区65.1%、川崎区63.0%となっています。今平成の大合併といわれる珍現

象が全国を覆っています。大きい事はいい事だといわんばかりに、国からの補助金も目当てにして、各地で市町村

が合併を続けています。しかしこれらは果たして住民のニーズにあったものでしょうか。このあたりで住民本位の

街づくりへと行政単位「市」「町」「村」を見直すべきではないでしょうか。やたら大きくなるだけでなく、分割

も必要でしょう。



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● 佐藤貞男格言新集―その16
和こそ世を救う(佐藤貞男)


 

 皆さん、今の文明社会は将来を含め安定し希望を持って暮らして行けると思いますか。

 今の社会の生い立ち、文明社会が作られて行く表は経済も産業も種々発明されるなどして素晴らしい発展をして来

たけれど、その陰には非情の世界があった事を見逃してはならない。侵略、掠奪、そして殺戮の歴史だったのです。

 火器を持たないマヤ、インカ帝国を始めとし、インデアン原住民のアメリカ大陸、アフリカの人々は西欧国家に何

も戦いを仕掛けた事もないのに、7000 万とも1億とも言われる人達が捕まり売買され、奴隷にされ鎖に繋がれ、反抗

すれば殺される世界。酷い悲しい一生で終わって行った多数の人がいたのです。

 西欧諸国家は近世に至り力を貯め、鉾先を東に向けて来た。先ず、中東を経てインドを奪い、阿片で中国を犯し、

更に緑美しく水のきれいな開国当時の日本を何で彼等が見逃すだろうか。西欧各国が好餌と狙って来た事は厳然たる

歴史。主役は時代により変わっても西欧諸国が欲望を達する手法、力で打ち破る征服思想は、一貫して変わっていな

い。彼等が信仰するキリストの愛とは仲間だけに用いるものかと思われる。

 アフガンの時も今度のイラクの侵略戦も昔から行って来た征服思想の現れの一例なのです。然しこれからはそうは

行かない。世界の人達は既に目覚めた。それに彼等は常に抑圧から来る反撃への恐怖におののき、膨大な戦費を使い、

精神的にも疲れて来ている。現にイラクを見るに治安は治まっておらず、食糧も医療も無に等しい事態。アメリカは

勝ったが、これから先どうしたら良いか分からないでいる。実は失敗の侵略戦だったのだ。

 征服抑圧の上に築かれた文化社会は無理であり駄目なのだ。出発点から悲劇を内蔵している事自体間違っていた。

だから砂漠化と貧困の未開発国家と発展国家の格差は広がるばかり。これを解決するのでさえどうにもならないでい

る。今見てみなさい。発展国家でさえ政策的にも見る物はない。財政もアメリカを始め膨大なる負債、経済、産業も

行き詰まって大企業、金融機関でさえ倒産首切り、職なし不況で喘いでいる。小手先位の対策で世界が救われるとは

思われない。打つ手なし状態でこのまま行ったら悪い事がどんどん出て世界が遂に蟻地獄に落ちて行くか、苦しさ紛

れで最終戦になるかです。

 ではこの状態を取り除き全世界の人々が諸手を挙げ歓び希望に向かって歩いて行ける光明への途の妙法があるのか

ないのか。良く考えたら一つだけあるのを知った。それは征服抑圧の国家とは根本から違う、一国主義のように相手

を疑うあまり膨大な軍備費を使う事も要らず、平和そのもので物資も広い地域から供給を受ける事も出来、関税も要

らず、旅行、運輸なども広い範囲パスポートなし、行政は人民主権の共和制。行政に就く委員は己を無にし公に尽く

す人物。そして知力、能力、実行力の資格試験合格者であって人民の直接選挙で選ばれなければならない。会議予算

も人民公開法を布き、課税も均一主義でなく事情により公正課税、人民の生活を第一義に楽市楽座の方向に持って行

き購買力の増大を図り、生活の安定、景気の活況を図る。そんな良い法があるのです。その名を連邦国家と言う。

 それは、一国主義のように狭い自己本位、力は正しいと言う思想ではなく、和を基調にした根本から違う制度。世

界を概ね六つ位に分け、合議政府を創り、委員は各地に配属され、期間を決め各地を廻る。その間公を私腹した罪は

公開裁判の刑に服す。

 連邦は世界連邦を創り、世界連邦は連邦の問題を解決し、各連邦間の協調を図る。一国主義では相手を疑うあまり

膨大な軍備費用を必要とした、犯される国もミサイルやガスの恐怖がなくなり安心、世界が軍備全廃で真の平和、軍

備に使っていた費用で山林の整備、開墾、食糧増産(その前に砂漠を農地にする仕事)、仕事は次から次と出た来る、

連邦政府が中央集権に走らぬよう、民間に監視機関制度も必要等々。一日も早くこの広い考えの制度に改めるのが上

策。

 次に北との問題だが、連邦が出来れば仲間同士になるので問題はなくなるのだが、未だ時間が掛かるので、当面北

との交渉は、日本から国及び外務省の最高幹部が続々と20回出も50回でも乗り込み、北の不満はどこにあるのか、ど

うして欲しいのか、同じ東洋人なのだし仲良くしようと積極的に働きかける努力が必要。只援助物資を送ったから良

いでは駄目だ、人間は信じ合い和こそ救いだ。争ってはならぬ。辛抱こそ成功への道。

 次に北の四島問題。これは日本からロシヤに提案し、この四島は両国は共に領有権を放棄し両国で保護地区とし、

両国は他国の侵入を防いでやり、住民の自治地区にしてやるのが和ではないか。又竹島尖閣諸島などは関連国が交代

で利用し、二年は漁場保護のため休漁期間を設けるなどの方法もあるのだが、いずれにしても和が一番の良策。日本

の政府、外務省も少しは積極的に提案し、主導権を握る事が大きな国威である。



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● 空疎なる愛国心(清水芳治)







 最近の税制論議を聞いていると税の持っている所得の再配分の役割などは全く無視されているようだ。

曰く、直間比率の見直し、などと言う厚化粧で隠されているのは、消費税の増税である。消費税増税は衣食住に集中

的に税金をかけるということであり、庶民生活に大きな影響を与えるのだが、食を非課税にするのは、税の構造を複

雑にするので好ましくないのだそうである。だれにとって好ましくないのかは、衒学的な言辞を捨て去れば直ぐ分か

ることだ。これは国民の富裕層と貧困層を分断する税制だ。

 地方交付税では山村と都市の交付率を再検討するという。当然のことのように思える。その際は、山林、植物、河

川、水源、水田、総じて自然資源の貴重な役割を経済的に評価し、山村の価値を再評価して交付税の配分を決めるか

と思っていたが、どうもそうではないらしい。都市と農村の分断である。

 かつて、失業者数が増大した時に、政府が打ち出した方針は、失業保険の給付率の引き下げと給付期間の短縮であ

った。労働者が大きな声を上げなかった時、ドイツの新聞特派員が「日本人に連帯感はないのか」と評したことばが

きつかった。就労者と失業者のあからさまな分断である。

 イデオロギーの時代は終焉したと言われて久しい。だが、かつて批判されたイデオロギーは血気盛ん、それゆえ思

慮不足でもあったにしても、当時の青少年に夢を与えもした。ところが、今や国民を金のための戦場に叩き込み、人

間と人間を、都市と農村をバラバラに切り離し、その代わりに学校教育で「国を愛する」などという夢のない空疎な

イデオロギーを教え込んで国民の繋ぎ合わせようとする政治家がいる。

殺伐とした世相になるはずだ。








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