かわさき市民オンブズマン会報 第34号

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***もくじ***

● 国民監査請求制度を制定せよ(事務局長:清水芳治))
● KCT問題  もうこれ以上の引き伸ばしは許されない(篠原義仁)
● 平成14年度の包括外部監査「水道事業」について(江口武正))
● 川崎臨海部再生プログラム(案)を読む(望月文雄))
● 川崎・市民フォーラム地下鉄問題討論会(江口武正)
● 十字路
   ・「立派な議員を送り出そう」運動について(佐々木玲吉)
   ・デモに旗は必要か(清水芳治)
   ・佐藤貞男格言新集ーその15(佐藤貞男)

● 会計報告
● 編集後記

主張 国民監査請求制度を制定せよ 事務局長 清水芳治



アメリカ軍のイラク侵攻は国連決議に基づかない侵略であり、国際法に違反する行為である。

 戦争は税金の無駄遣いの最たるものであり、違法不当な無駄遣いの典型である。小泉内閣とその与党は、突如、

アメリカのイラク戦争を支持すると言明した。しかも、侵略戦争にアメリカが勝利した後、イラク復興のため数

百億円(朝日新聞3月22日)の負担をするといっている。

死者を出し、破壊された国土を復興するための、人道的な支援だというのである。その論理は端から破綻してい

ることは、論うまでもないであろう。ところが、私たち国民にはこうした際に税金の無駄遣いに直ちにストップ

をかける法的手段がない。

たとえば私は、小泉内閣が今回イラク復興支援に財政支出を行った場合は、総理大臣と閣僚並びに関係職員に損

害賠償請求をしたい。ところが、直接参戦したりすれば、憲法違反の違憲訴訟を起こせそうだが(最高裁が違憲

審査権を行使するものとして)、現在の状態では、法的手段を講ずる手掛かりがないらしい。何故か。

地方自治体の首長及び関係職員に対しては地方自治法 242条に基づいて、住民監査請求、請求が退けられた場合

には、住民訴訟を提起する権利が保証されているのに、国家に対する国民のこうした権利保障は欠落しているの

である。

憲法30条は納税の義務を明記している。逆にいえば、義務既定は権利規定であるはずだから、国民監査請求、国

民訴訟の法律の不存在は不思議といわねばならない。

ここでハハーンと想いつくのは法律の作られ方だ。法律を作っているのは国会議員であり、その裏方の国家官僚

だ。地方政府は地方住民に監視させよう。中央政府はまともだから国民にとやかく言わせることもあるまい、と

の腹の内が読めてくる。

だが、政治家や官僚は志操堅固、一点非の打ち所のない高尚な人物であることが望ましいが、それほど立派な方

々だけとは思えない。記憶に新しいところだが、しゃぶしゃぶの大好きな大蔵官僚、料亭を掛け持ちできる丈夫

な胃袋で政策を論議する政治家。国の財政負担を軽減するはずの諸立法が官僚の天下り先を肥大、増殖させるこ

とになるとは。それでも、法律とはこういう人たちのためにのみあるとは考えたくない。

そこで大阪弁護士会が国民監査請求制度を検討し、去る3月2日には東京の弁護士会館で行政訴訟のシンポジュー

ムが開催された。もっと早く、との思いがないではないが、こうした動きが強まっていくことを念願し、オンブ

ズマンとしても制度設定に積極的に参加して行くべきであると思う。








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KCT問題 もうこれ以上の引き延ばしは許されない(篠原義仁)
                                



1、監査請求の結果が出ることを見越してか、3月13日(読売新聞)、3月18日(朝日新聞)とKCTの存続を

肯定する報道がつづいた。新聞記事は、KCTの説明を無批判的に受け入れた鵜のみ報道であるが、「償却前

利益が初の黒字に」との見出しを付して、KCTの「業績好転」を印象づけた(記事内容はどっちもどっちだ

が、朝日の方がもっとひどい)。

 朝日報道があったその日に、外部監査結果をふまえて監査委員(内部)会議が開催された。



2、第4次のKCTに対する監査請求は、オンブズマンの呼びかけに応えて、オンブズマン組織に加え、319名

 (360名の集約があったが、ダブリチェック、住民票なし、押印なしなどの結果、有効請求が319名)もの市民

が、昨年12月24日集団的に監査請求を行った。

求めた内容は、5割を超える株を有する川崎市(筆頭株主)として、破綻におちいったKCTにつき会社整理

又は会社更生の申立を行い、株式(税金から支出)という財産を保全せよというものであった。

この請求については私達は外部監査手続を要求し、監査委員もこれを認めて、本年2月10日に外部監査人(公

認会計士、弁護士)に対し、私たちと川崎市の意見陳述がそれぞれ行われた(60人近くの市民が傍聴)。



3、外部監査人は3月7日にその報告をまとめ、これをうけて、3月18日に内部監査委員会議がもたれた。監査

結果は、外部監査報告をそのまま受け入れ、KCTは累積赤字が53億円で「実質的に破綻」していると結論づ

けた。これは、川崎市の弁明、KCTの弁解を斥けたもので、私たちの主張どおりの認定となった。

 一方、監査結果は、筆頭株主である川崎市の法的義務(会社整理、会社更生の申立義務)については、現時

点では認められないとし、他方、金融機関の支援策の延長の可否が明確となる本年5月末まで、もしくは、2年

間の緊急措置計画の終了する来年3月末まで その法的義務を猶予する趣旨のまとめを行い、またまた、KCT

問題の本質的解決を先送りした。従って、この点ではきわめて不当な結論となっている。

しかし、KCT問題の解決は、一刻の猶予もなく、直ちに実行される必要があり、これ以上、川崎市の裁量を

認めるわけにはいかない。

すなわち、私たちは過去3回にわたって(1998年6月30日、2000年3月14日、2002年5月23日)、KCTの経営が

危機に直面しているとして川崎市による各種支援策の中止等を求めて監査請求を行った。

これに対し、監査委員はKCTの赤字体質を認めつつも、川崎市等の経営改善の努力約束を尊重して一定の猶

予を認め、ことごとく監査請求を棄却した。

従って、もう、「執行猶予」の期間は切れ、川崎市として解決を先送りをする裁量は存在しない。外部監査結

果の前進面を生かしながら、直ちにその不十分点の克服が検討されなければならない。



4、地方自治法138条の2は、執行機関(川崎市)の義務につき、すなわち、その執行実務につき、「自らの判

断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う」と規定し、同法242条は「財産の管理を怠る事実」

に対しては住民監査請求の申立ができる旨規定している。その上で、同法242条の2は監査請求の結果に不服で

ある場合には、その送達を受けた日から30日以内に「当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認

の請求」(違法確認住民訴訟)をすることができると規定している。

そこで、私たちは、KCT問題を皮切りに第3セクター問題の全面的解明を行うためにも住民訴訟の提起が必

要不可欠と考え、この取り組みに寄せられた多くの市民の思いをうけとめ、その準備を進めることとしている

(3月18日オンブズマン幹事会の確認)。

この裁判は、全国で初めて経験する、会社整理又は会社更生の手続を求める究極の住民訴訟となっている。従

って、全国的にも注目されるのは必至であり、より一層の市民の支援、全国的協力を得るなかでの全力の投球

が要求されている。





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14年度の包括外部監査「水道事業」について
(江口武正)



14年度の包括外部監査「水道事業」について

                               江口武正

2月7日に14年度の包括外部監査結果が阿部市長宛てに大木外部監査人名で提出された。

まずは監査の概要を紹介する。

監査対象:川崎市水道局

       (財)川崎市水道サービス公社(一部業務委託先)

対象年度:原則として平成13年度

テーマ選定の理由:近い将来に多額の資金不足も懸念されることから、その効率的な運営は市民の重要な関心

事である。

事業の概要:1)水道事業

         大正10年の多摩川を水源とする給水開始以来80年以上の歴史。

         13年度は受水費の増加により1510百万円の当期純損失計上。

      2)工業用水道事業

         わが国最初の公営工業用水道事業として昭和12年に創業。

         過去5年で、平成9、11年度を除き経常損失及び当期純損失を計上している。 

監査内容

 監査内容は給与、退職手当、固定資産管理、貯蔵品及び薬品の管理、契約事務手続、料金等の徴収 等多岐

にわたっており、特徴的な点をオンブズマンの視点から紹介してみたい。

 特殊勤務手当ては課長以上を除く全職員に支給している。前回のバス事業でも指摘されたが、退職時に特別

昇給が行われ、特別昇給後の給料月額で退職手当が支給されていた等の人事関係の問題がある。

 また契約、特に入札に関連して「市場が狭く、業者同士が談合を行いやすい業種につき、不正行為が行われ

ていないかどうかの検証を行った結果、極めて不自然な応札状況を示した事例が存在した。今後は、入札状況

を常にモニターし、不正のおそれがある場合は、「入札・契約適正法」に従い、速やかに公正委員会へ情報提

供できる管理体制を築かなければならない」と談合が行われていることを暗に指摘している。

 監査報告に添えて提出する意見においても企業団から給水を受けているが、構成団体の中で受水量は 8.3%

に過ぎないにもかかわらず受水費の割合は 23.3%も負担しており、この結果、9.6億円の税金を無駄に使って

いることになることが指摘されている。今後報告を更に検討してみたいが、川崎市は当事者であり折角の監査

結果を有効に活用すべく、早急に対策を立案、実施すべきである。




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川崎臨海部再生プログラム(案)を読む(望月 文雄)



川崎臨海部再生プログラム(案)を読む

2003年3月24日

望月 文雄

「川崎臨海部再生リエゾン研究会」が3月17日に6回目の会合を開き、「再生プログラム」を纏めたという新聞

記事を見、翌日、市臨海部整備推進室へ資料請求をして、入手した。今まで「リエゾン研究会」の評価をする

資料を見なかったので、この「再生プログラム」を見て正直なところ驚いた。何に驚いたかと言うと、3枚の

表にである。最初の表は「川崎臨海部再生プログラムの施策体系」、次は「各施策の概要等」、3枚目は「各

施策の実施スケジュール(案)」である。



最初の表「川崎臨海部再生プログラム施策体系」は6つの大目次に、9つの中目次にグループ分けされ、さらに

46の小目次に分類され、それが、5つのブロックに分けられ、さらに、26の項目が6つのグループに分けられて、

関係する小目次に係留されていて、全体の関係が把握できる。



 2番目の「各施策の概要等」は先の表を左に置いて、右側に、実施主体、根拠法/制度、期間、予定、熟度、

緊急度、効果、課題、備考というように、細目を明確にしてある。予定の項目には02、03という年度計画、提

案、設置という書き込みが19(全体62項目)項に及んでいる。それは、すでに実施にはいっている施策があると

いうことだ。

 3番目の「各施策の実施スケジュール」表は表2の実施主体以降を地域、2002年度実施予定、短期(03〜04年)、

中期(05〜07年)、長期(08年〜)という区分けがなされている。2002年度実施予定で開始という書き込みがある

のは「産官学連携・企業間連携」→「共同研究プロジェクトの実施」→「レスキューロボット研究」→「民間

・大学・研究機関」→「第一層(南渡田)」である。さらに、事業中が3件、事業開始が2件、事業着手1件とある。

臨海部全体での私企業を含めての施策事業なので、驚くことはないのかも知れないが、今まで市民の目が届か

ない、届き難い施策項目の進行を知ることができるという点で、私には驚きであった。

 このような資料を入手できたことが驚きの最初なのであろう。一市民としての危惧、問題意識はこのような

市政施策に市民参画という余地が、全くなかったということだ。だが、今回のこのプログラムには、市民参加

を促す、文言がある。紹介しよう。

 V. 川崎臨海部再生プログラム 2.川崎臨海部におけるまちづくりの方向性 (サイエンスシティ川崎戦略

会議提言における川崎臨海部の位置づけ 環境テクノ・シティの形成―臨海部―D推進組織の形成、○臨海部

再生リエゾンセンター…臨海部の諸計画を一元管理し、開発認可等の窓口機能を一元化した組織であり、産学

公リエゾン・コミュニティセンター機能を併せ持ち、企業、地権者、市等により構成するという提言に基づき、

表3「各施策の実施スケジュール(案)」の大目次「推進組織体制」に「市民参加の促進」「市民参加の仕組み

づくり」という中・小目次が作られていることだ。しかし、市総合企画局臨海部整備推進室では「市民参加と

いうことは、商工会議所とか町内会連合会あたりまでしか考えていません」と歯切れが悪い。「川崎臨海部再

生プログラム(案)」(24ページ)重点的に取り組むべき施策における官・民の役割分担(表)の、推進体制・推

進組織の設置には、市民との関係づくり○臨海部再生における市民参加の進め方の検討という項目が明記され

てもいるのだが。

 プログラムを通じて感じることは海への認識が、単に港湾設備の強化という貧しい発想しかないことだ。僅

かに、添付資料の中で、アジア企業家村構想についてという構想が展開されてはいるが、大本の「プログラム

(案)」では産業の活性化の中の一選択肢にすぎない。また「市民向けイベントの開催、臨海部において市民が

利用できる施設等の情報提供とか、事業所内の見学コースの設置、市民による見学の受け入れという場当たり

的な発想しか、役割分担に記載することが出来ない提言は受け容れ難い。

大胆な発想の転換があっても良いのではないか。広大な水域を市民に開放する、それは公園とか、潮干狩りの

浜ということだけではなく、水際でボートを持てる住宅とか、ヨットの訓練が出来る運河とか、ヨット製作工

場とか、親水性に家庭生活がドッポリと浸かるような市街構造は描かれていない。いすず自動車工場裏でスト

ップする多摩川土手、浮島と東扇島とを繋ぐバス路線・人道の欠如。埋立地は重工業だけにしか利用価値のな

い土地であることが最大の欠点であろう。せめて多摩川河口地域は住宅と水域とが親しみあうあの、アムステ

ルダムの運河沿いの住宅地にならないものか。一軒一軒が小さなボートを戸口の持っているようなあのアムス

テルダムのように。

読んでいて気になった施策があった。「快適環境づくり」→「水と緑の回廊」→「親水・防潮ライン」「浜川

崎駅周辺(親水・防潮ライン)」→「内奥運河沿いの防潮機能の強化」という項目である。地域は南渡田で、場

所は旧日本鋼管(現JFE)所有地である。

実施主体は未定となっていて、整備・事業計画の検討は短期(03〜04年)、着工05〜07年とされている。現在の

段階では、私有地の堤防を公費で工事するということになる。日本鋼管が南渡田の土地を川崎市に売却したと

いう話は聞いていない。川崎市にそのように豊富な財源はあるはずがない。それともJFEが南渡田の当該地

区を税金代わりに物納することになっているのだろうか。それともすでに、都市公団と売買契約がなされてい

るうえでの、施策なのであろうか。「水と緑の回廊」という目次は魅力的だが、第一層の部分的な嵩上げ工事

で、回廊が構成されるのだろうか。臨海部全体に、人が住める地域にするという観点が不可欠なのではなかろ

うか。物作り企業や、住民不在地域黙認の市政・国政に臨海部再生を任してはおけない。



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川崎・市民フォーラム地下鉄問題討論集会(江口武正)



地下鉄の討論会に出席したが吃驚した。

 「バス事業も赤字だから地下鉄も赤字でよい。」

 「他の政令指定都市の地下鉄も赤字だから川崎の地下鉄も赤字でよいと。」と、とうとうと開き直ったおじ

さんがいた。



 それが悪びれず弁舌さわやかであり、誰かが動員した土建集団のプロだろうか。

 

 場内は一瞬あっけにとられたが、そういう無茶がまかりとおり、大日本土建国家が崩壊の瀬戸際にきている

のだ、冗談じゃないとの反論があり一応バランスは取れた。



 収入が減り、予算の組み立てに四苦八苦しているこの時期に、毎年80億円も一般会計から負担が必要な地下

鉄を心底推進するのは公共工事関係者以外で誰がいるのだろうか。

 なお推進派から財政面に関する説明は皆無だった。



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十 字 路
● 「立派な議員を送り出そう」運動について(佐々木玲吉)





今年は4月に地方選挙が行われます。それを前にして「立派な議員を送り出そう」と云う運動が、われわれオ

ンブズマン一部有志も参加して発足しておりますが、選挙を目前にしては各候補者は表面的に綺麗な言辞を

弄するのはあたりまえです。要はその候補者は今まで何をやって来たか、各議案にどのような態度を表明し

て来たか、候補者の所属する政党・会派は、汚職は等々考慮されねばなりません。

そこで思い出されるのは2年程前にわれわれオンブズマンが行った市会議員政務調査費(議員一人当たり、月

々45万円……市民の税金)のアンケート調査です。一部議員別回答は会報23号にありますが、各党・各会派

別の回答の要点と、それを報道した当時の読売新聞の記事を掲載致します。



・公明党川崎市議団 団長 大場正信

 領収書等につきましては、現在私どもが行っておりますように、きちんと各会派がしっかり保管すべきで

 あり、公文書ということについては現時点では開示対象にしない。

・市民同志会議員団 団長 増渕榮一

 領収書は公文書の添付要件とせず、各会派が保存すべき。

・自民党川崎市議会議員団 団長 矢沢博孝

 現時点ではこれまでどおりの方法により条例化に臨む。

・民主・市民連合川崎市議会議員団

 領収書等の扱いは、会派が責任をもって保管・管理することとし、これまでどおりの方法による。

・日本共産党川崎市会議員団 団長 竹間幸一

 日本共産党は国政でも市政でも"税金の使い方"を国民本位に変えること、またその使い道も公開し国民のため

に使うこと、という態度を一貫してとっています。川崎市の市政調査費も同様「決算書」のみでなく「領収書」

を含む出納帳の市民への公開は必要と考えています。

そしてわれわれオンブズマンが申し入れた南伊豆用地問題(短期間に土地ころがしにより4億2千万円荒稼ぎさ

れた事件)についての100条委員会設立に関する要望についても次のような態度表明があります。

賛  成      反  対

日本共産党     自民党

無所属 猪股美恵  民主・市民連合

無所属 稲本 隆  公明党

          市民同志会

          神奈川ネット・ワーク



さらに今また自民党坂井衆議院議員のヤミ献金問題が新聞紙上をにぎわしていますが、3月8日の新聞赤旗は過

去の汚職国会議員の一覧を掲載しています。自民党議員が圧倒的で公明党議員がそれに続きます。

ところで、企業・団体の献金が腐敗・汚職の裏面にあることはわかりますが、川崎ではなんと企業それ自体が

議会に議員を送り込んでいます。



増渕榮一  NKK     市民同志会

近藤正美  いすゞ   民主・市民連合

佐藤忠次  東京電力  民主・市民連合

中川 啓  東芝    市民同志会

潮田智信  三菱    民主・市民連合

立野千秋  NEC   民主・市民連合

東 正則  富士通   民主・市民連合



彼等は常に自らの出身企業を念頭においていることでしょう。

以上「立派な議員を送り出そう」運動にお役にたてばと思い、書類をまとめてみたものです。





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● デモに旗は必要か(清水芳治)



ブッシュのアメリカは遂にイラクに攻め込んだ。世界各地で沸き起こった反戦の声がブッシュには届かなかっ

たのだろうか。何故、戦争を阻止できなかったのか、どうすれば戦争を阻止できるのかを、あきらめずに問い

続けなければならない。

もう一つ、何故と問いたいことがある。日本でも戦争反対の人が多いにも拘わらず、何故世界各国の反戦デモ

のようにもっと多くの一般市民がデモという形で反戦の意志を表明しようとしないのだろうか。今後もデモと

いう表現形式が要求される機会があるだろう。とすれば、この際、考えてみるのも、無駄ではあるまい。

私が参加した集会は夜間が多かった。それが原因の一つに考えられる。また、民衆の運動をあれこれ事細かく

規制する権力の対応もあると思われる。そうした外的要因の他にデモの組織者、参加者にも原因があると思わ

れて仕方がない。

それは、まず政党や組合を始め、諸団体の旗にある。かわさき市民オンブズマンは組織としてこういう集会に

参加したことがないので、私は何時でも個人参加である。デモ行進する時は、適当に何処かに潜り込むしかな

い。別の言い方をすれば、沿道の人に参加を呼びかけてもその集団に所属していないで帰属意識のない人は参

加することに違和感を感ずるのではあるまいか。

逆に、何故旗が必要なのだろうか。大きな旗だけあって廻りに殆ど人のいないグループ。集会、デモは個人の

意志表明の場のはずなのに、ここでも旗を中心に仲間と群れなければならないのだろうか。反戦の意志を表明

している人々は今日の仲間ではないのだろうか。

組織動員し、ここの組織から何名、参加者に交通費支給のための確認等々の理由は考えられる。運動なれして

いる人は気づかないかも知れないが、旗のもとに群れることによって参加者全体の連帯感を損なっていないか

を、是非とも検討してほしい。また、沿道にいる公安関係の面々を見掛けるであろう。かつて冷戦体制崩壊時

は公安調査庁無用論がいわれた。オウムの暴走で失業を免れた公安関係者に超過勤務手当を配るために旗を立

ててデモ行進するのは、そろそろ止めては如何だろうか。

それと、集会会場の席の割り振り。これも旗を立てた人たち優先である。確かに、集会の連絡、動員に組織は

有用だ。だが、組織動員がないと自発的に動けない政治的愚鈍を生み出してもいるのではないか。これはいま

論議されている無党派層と政党との関係とパラレルではないか。会場内の移動は仲間と群れるための無用の動

きである。最後に、遠いところからの参加者を先頭に行進する配慮もみられるが、入口の人から出発すること

に何か不都合があるのだろうか。

昔「アルジェの闘い」という映画を見た。路地から路地から人々が湧き出してくる情景が羨ましかったものだ。

参加者は皆仲間だ。もっと連帯の輪を広げることを考えよう。







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● 佐藤貞男格言新集―その15 (佐藤貞男)



恒心あらざれば恒産得難し

前回は芯の腐ったリンゴは食えぬ、即ち人間も心の腐った奴は害はあれど益なし、信を置く事の出来ぬ無価値

の人間である、を述べました。今回は順として日本の改革を先ず内政からと思っていたが、事は急を要する、

アメリカがイラクを攻撃殲滅し、石油利権を含め占拠せんとする重大問題が起きたので、34号はこの侵攻作戦

に切り換えて述べさせて頂きます。

物事は総て現象が現れた場合、必ず原因が潜んでいる。寧ろ原因があったから現象が起きたのだと云っても過

言ではない。その原因を深く究明しなければ現象を掴む事さえ出来ない。再び同じ事が繰り返し起こる。物だ

けではない、人間も叩き直さねば向上も立派な人柄も得られない。

話を本論に戻します。私は何か腑に落ちない疑問を感じました。聞く所によるとアメリカの言い分と云うかイ

ラクに突き付けた条件は大量殺人破壊兵器(核)、非常に卑劣な殺人化学兵器(ガス弾、劣化ウラン弾)等を

準備して何時攻撃して来るか心配だから、それらを全部破棄せよ、そのためにイラク国内を査察、戦力を無力

化し、それでも未だ不安で軍事力でフセイン政権を打倒してしまわなければ安心出来ない。その上尚且つ「イ

ラクよお前は大量殺人兵器を持つな。だがアメリカの俺は持っても良いのだ」と云うのが本筋のようだ。何と

社会通念から云って理不尽な片手落ちの処遇だ。そしてブッシュは、時間を掛け、平和裏に査察し、攻撃まで

する事はないとする仏、ロシヤ等の国連安保理を蹴って、戦火の道を選んだ。嘗てはアメリカも平和を願って

自らも努力し国連憲章まで作ったのに、安保理を無視してイラクに侵攻した、この一方的行動、行為で腑に落

ちない疑問と原因が分かった。

それはあの5角か6角の建物、ペンタゴンの中で練り上げられた、アメリカ世界戦略上の作戦から出た行動、イ

ラク侵攻はその第1段階。だから、国連の同意を取り付けていたら、作戦上にも時間的にも妨げになる、これで

仏もロシヤも中国もアメリカの腹が読め、出方が変化して来る筈。私は世界の為政者に道を誤らぬ事を祈る。

50数年前作った「人類は人類の智慧により消滅する」、これは目前の欲に囚われ最終戦になり、お互い核爆弾

の撃ち合い、遂には灼熱地獄の惨状を呈し空しい終焉を迎えてしまうのではないかと感じた時の予言。「人間

は何人といえども生まれながらに他人の生命の与奪の権利を与えられて生まれて来た者はいない」、平家物語

の一節に盛者必滅会者定離、諸行無常の響き在り、驕る平家は久しからず、嫋嫋と流るる琵琶の音、世の空し

さと人の命の果敢なさ、人は欲に駆られ、名声だ権力だ地位だ独占だ財産だと血眼になって得ても人の命は一

瞬の100年、老いと病と死はあっと云う間に来る、老いさらばえて、過ぎ日の過ちは帰らず。人の命は1兆2000

億分の1の驚異の事実を経ての一匹として、この世に生まれて来た事を大切に記憶し感謝し、温かい心で生きな

ければ罰が当たる。只や疎かにしてはならぬ、この尊い命を生命の与奪権のないブッシュ氏よ、直ちに殺人行

為を止めよ、これ以上殺戮を続けたら、イスラムの人々の永劫の恨みと呪いを生涯背負って行かねばならぬ、

戦いが勝利に終わってもテロや種々の復讐を受け、恐怖と警戒に戦闘以上の神経を使い財政支出をする事にな

る。

四面楚歌は不幸の始まり、私は想う、どうして一時の欲と迷いに囚われず、イラクに対し大量殺人兵器を全廃

しよう、私の国アメリカも全廃しますと何故温かい心で接する事が出来なかったのか、本来持ってはならぬ核

兵器、世界各国に呼び掛け、先頭に立たなかったのか、さすれば大国アメリカの位置は上がり、世界のリーダ

ーとして輝いたであろう。

嘗てアメリカはスーザン作、行進曲「星条旗よ永遠なれ」の時代は明るい未来のあるアメリカであったのに。

心の迷いが何処にあったのか、神仏の住む世に座すか、棘の道を辿るかは岐路に立った時、その人の心が分か

る。自我に走る人は、孤独と淋しさを味わう人生、それは自身の心にあり、決して愛を捨ててはならぬ、況し

てや人を泣かしてはならぬ。

戦いについて一つ提案をする。どうしても武力で決着をつけたいと思う者は希望者を募り、国連で島を買って

おいて、首謀者自らが先頭に立って勝負を付ける法、これは自由意志なので一般人は被害を受けないし国内の

被害もなく、経費も安く済む、明快な戦争なので賛成する者多数と思う。

幼い子供や力の弱い女性まで巻き込み、文化、建物・道路・橋・農地等々、戦争反対の人々まで被害を受ける

戦争法は即、廃止、軍備全廃。

余談。大量破壊殺人兵器の最初の使用者は実はアメリカ自身なのだ。幼い子供を含め一般市民を多く殺された

広島長崎を私は忘れない。

終わりに34号の題名「恒心あらざれば恒産得難し」の説明をします。

恒心とは恒星太陽のように総てに、光を愛を永遠に惑星地球に与え、総ての生物に必要な酸素、空気、水、大

海、大地を与え、植物を育て、遺伝子を与え、悠久の営みを変わる事なく与える、即ち与え尽くすのみ。その

ような心になれば、恒産、豊かな心境になり、無限に創造出来る心を持ち、一生を送れます、と云う言葉です。

前世、現世、来世を通じ観る事が出来、語れる人になれます。

小泉首相は一人で決めたので戦闘に立つでしょう。応分と云うからには私財を戦費に提供するでしょう。

次回は北朝鮮の事を勉強して書きたいと思っています。




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