かわさき市民オンブズマン会報30号

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***もくじ***

● 弁護士報酬の敗訴者負担に反対しよう(代表幹事:篠原義仁)
● KCT、三田工業事件の監査結果が出ました(渡辺登代美)
● でも、しかし(望月文雄)
● 住民監査請求を期間の制限から解放する一連の最高裁判決について(大川隆司)
● 再びごみ収集車購入状況情報公開を求めて(佐々木令吉)
● ワールドカップ狂想曲(N.S.)
● 水江町売れた、大損こいた(清水芳冶)
● 「十字路」
    ★:佐藤貞男格言新集ー12 (佐藤貞男)
● 会計報告

弁護士報酬の敗訴者負担に反対しよう
(代表幹事 篠原義仁)

 

1 昨年6月12日、司法制度改革審議会は21世紀に向けて、司法改革問題の最終意見をとり

まとめました。

 ところで、司法改革には二つの流れがあります。一つの流れは最高裁事務総局の裁判官

統制をやめさせて、裁判官の良心と独立を守り、国民の司法参加のもとで憲法と民主主義、

基本的人権に忠実な裁判を実現しようという流れです。もう一つは、政府・財界が希望す

る流れで「規制緩和」や「構造改革」を推進するため、司法を国の政策や企業の経済活動、

治安維持に役立つものにしようというものです。



 多くの国民の要求が前者にあることは明白です。



 私たちオンブズマンも、この間、情報公開訴訟、住民訴訟に取り組んできたわけで、こ

の司法改革に無関心ではいられません。地方自治法が改悪され、監査請求と住民訴訟の途

が狭められたなかで、21世紀の司法がどうなってゆくのか、きわめて重要な課題が提起さ

れています。



2 いくつかある司法改革の論点のなかで、弁護士報酬の敗訴者負担制度の導入は、ます

ます司法への国民参加を阻害するもので厳しく批判されなければなりません。

 審議会の最終意見は、「市民が裁判を利用しやすくするため」という理由で、この制度

を提案しています。これは、裁判に負けた方が勝った方の弁護士費用を負担するものです。

 しかし、この制度が本当に市民の裁判の利用に役立つのでしょうか。裁判提訴の促進効

果をあげるのでしょうか。真実は反対でしょう。

 起こす前から確実に勝つとわかっている事件は、ほんのわずかです。ましてや、消費者

訴訟、労働訴訟、住民訴訟、公害環境訴訟、PL訴訟、株主代表訴訟、議員定数配分違憲

訴訟など、いわゆる「世直し訴訟」「人権裁判」は、敗訴のリスクを背負って提訴されて

います。

 政府や地方自治体が、国民の期待に背き、企業が国民要求に敵対するなかで、「カネと

時間のかかる裁判」に市民は、素手でたたかっているのが現状です。厳格な立証責任、証

拠の偏在のなかで、「政策形成訴訟」として新たな分野の開拓を求めて訴訟遂行を行って

います。



3 そうした裁判の実態を直視した場合、敗訴した場合に相手方の弁護士の費用(現在は、

自分がたのむ弁護士の費用は、それぞれ自分持ち)まで負担させられるとしたら、敗訴の

リスクの前に裁判提訴がますます困難となってしまいます。オンブズマンの行う住民訴訟

などの「世直し裁判」は、この費用の面から二の足を踏む状態も起きかねません。

 昨年12月に発足した司法制度改革推進本部(本部長小泉首相)の6月検討会で序論的議

論が開始され、11月から制度導入へ向けて集中的な議論を行う日程が組まれています。

 司法への国民参加を阻害する制度は、私たちオンブズマンとしても絶対に導入を許して

はならない制度です。

 今、「弁護士の敗訴者負担に反対する全国連絡会」などが中心となって導入反対の団体

・個人署名を展開しています。司法を民主的に、そして何よりも私たちの身近のものにす

るために、私たちもこの署名運動に協力しようではありませんか。






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KCT、三田工業事件の監査結果が出ました
―結論は予測どおり?
(渡辺登代美)

   

1 7月17日、KCTと三田工業事件につき、去る5月23日に行った住民監査請求の監査結果が

出ました。前号の会報に監査請求書を掲載してありますので、参照して下さい。



2 まず、KCTについて。

a 私たちは、川崎市が行ったKCTに対する使用料の減免措置は、早晩倒産を免れない企業

に対するムダな支出であるとして、前市長及び現市長に対する損害賠償請求を求めました。

b 結論は、「最終的に意見の一致をみるに至らず、合議は整わなかった。そのため、本件措

置請求については『監査及び勧告についての決定』に至らなかったものとする」という、何と

もお粗末なものでした。



4名の監査委員の意見は、@KCTの必要性から請求に理由がないとするもの、A損害賠償責任

の要件に疑義があり請求に理由がないとするもの、B経営改善策の効果を見極める必要があり

請求に理由がないとするもの、C請求に理由があるとするもの、に分かれています。しかしな

がら、KCTの経営が極めて厳しい状況であること、市の将来予測が実際の数値と乖離してい

る点については全員の意見が一致しています。それにも拘わらず、市に対して何もものを言う

ことができない監査制度には、一体どんな意味があるのでしょうか。

はしなくも、監査委員の合議によるという監査制度の弱点が露呈した結論でした。監査制度の

実効性自体が問われています。ちなみに今年の全国大会は、「監査請求を市民の手に」をメイ

ンテーマに行われます。



3 次に、三田工業事件について。

a 高裁での判決確定を受けて、私たちは川崎市に対し、「法治国家における行政の対応とし

て、贈収賄という犯罪行為を容認しないという基本的姿勢を明確にする意味で、判決内容にし

たがってその履行をすべき行政上、政治上の責務がある。確定した判決に従い『正義の実現』

をすべきであり、不正義に荷担する理由を作るべきではない」と、大師河原の土地を買戻し、

原状回復措置を講じることを求めました。

b 監査結果は棄却です。

  「@大師河原の土地は、もともと代替地用地であるから行政目的がなく、土地購入希望者

がみつからずに長期保有土地となる可能性が高い。A現時点までに土地の時価は年々下がって

おり、判決の示した金額と約1億2500万円の差損を生じる。」という川崎市の主張を認め、

市が「原状回復の権利を行使する必要はない」とした判断は、裁量権の範囲から大きく逸脱す

るものとまでは言えないとしました。

c おまけに、以下のような付言があります。

「川崎市は、…大師河原の土地の早期買戻しを選択肢の一つとする適切な措置を講ずることに

ついて検討する必要があり、土地の取得及び処分に係る事務の執行に当たっては、公序良俗の

観点に配慮して対応することが望ましいと思料する。」何をか言わんや。どのように正義の実

現を求めていくかは今後の課題です。

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でも、しかし
(望月文雄)

 私は平成12年11月14日に「川崎市出資法人の負債・損益の公報発行について」という趣旨で

“川崎市が発行している『川崎市出資法人の現況』では各法人の負債・損益の内容が明らかで

はない”という理由を記して官製オンブズマンに苦情申立てを行いました。

 私の意図は土地開発公社の問題は税理士の奥田さんだから「塩漬け土地問題」を指摘すること

ができたので、専門的な知識と関心がなければ、問題の解明は出来ないのではないかという疑

問が発端で、素人が読んでも法人の内容が分かる資料を公報で発行するようにできないかとい

う、期待を込めたものでした。



 官製オンブズマンは私の意図を汲まれたようで、回答書の最後に「以上、2,3に記しまし

たとおり、市は、その出資法人の統廃合や経営健全化のための評価システムの構築等の推進に

努めている現状にあります。このため市民オンブズマンは、今後の市の対応を見守っていくこ

とと致しました。」という文言が付されていました。



 回答書では1〜3の項目でインターネットによる出資法人の情報公開を行い、自己点検評価

制度の導入を検討中とありました(出資比率50%以上)。市のホームページに「出資法人の経営

状況等の点検評価結果報告書」というページが作られましたが、35%出資の「川崎市場信用」

の破綻とか、“市の幹部やOBに違法な報酬などとして多額の金品を提供していた「川崎住宅」

(朝日‘02.6.7)”などの問題は見えてこないのです。

 市が考えているという「統廃合」に関しては全く情報がありません。昨年11月に“経営悪化

の三セク「KCT」「廃止を含め検討を」と新聞を賑わした「かわさき港コンテナターミナル」

は、市が追加支援はせずという条件で存続が決定したと報じられました。



 かわさき市民オンブズマン三度目の監査請求は「監査委員の合議の一致をみず」という通知が

なされました。ヴェールに隠されたままだと判断せざるを得ません。このような状況を私の苦

情申立てにコメントした官製オンブズマンはどのように把握し、市民に納得される処置をとっ

ているのでしょうか。       




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住民監査請求を期間の制限から解放する
一連の最高裁判決について 
(大川隆司)



 第三小法廷(7月2日判決)、第一小法廷(7月18日判決)に続いて第二小法廷も、本日

 静岡県島田市下水道談合事件住民訴訟について、前提となった監査請求が期間の制限を受け

ない適法なものであることを、裁判官全員の一致で認め原判決を破棄した。



 7件の同種上告事件について、3つの小法廷は別々に判決を言渡したが、これは、大法廷が

裁判官全員の一致で私たち住民側の主張を支持したのに等しい。



 談合業者らに対する損害賠償請求権は、当該契約が違法か否かにかかわらず成立するもので

あるから、「契約から1年以内」という監査請求期間の制限は受けず、従ってその期間経過後

の監査請求も適法である、という法理は、これまで下級審の裁判官の2割にしか支持されなか

った。「申立期間経過後ではあるが正当な理由がある」として例外的救済を与えた裁判官も2

割あったが、残り6割の裁判官はそれをも拒否し、訴え却下(門前払い)の判決を濫発してき

た。

 この10年間(92.3.31〜02.3.31)に、わが国の政府と自治体がかかえる負債は

388兆円増加して666兆円になったが、その主な原因はこの間に累積された430兆円の

行政投資である。この中には事業そのものがムダなものや、談合による過大投資が多く含まれ

ている。これらのムダを排除しようという住民の問題提起に対し、これまで大多数の裁判官は

事件から逃げるための理屈を血眼になってさがして来た、と言える。

 最高裁の全裁判官が、今回一致して上記の法理を明示したことは、司法の中枢から第一線に

対して送られた、「裁判官は事件から逃げるな」というメッセージである。

 談合など地方自治体が被害を受けた不法行為について、損害賠償責任を追及する住民の監査

請求が申立期間の制約を受けないということは、住民に対して大きな可能性を開くものである。

そのことは自治体自身もこの種の損害賠償請求権を積極的に行使する姿勢に転向せざるを得な

いことを意味する。



 私たちは9月14、15日に宇都宮市において「監査請求制度の活用」をメインテーマとす

る第9回全国大会を開催する。この一連の最高裁判決によって新たに確立された法理を活用し

て、みずから住民としての責任を果たし、かつ自治体に適正な責任を果たさせるよう、一層活

動を強化したい。



2002.7.19

全国市民オンブズマン連絡会議・談合訴訟弁護団

大川 隆司




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再びごみ収集車購入状況情報公開を求めて
(佐々木玲吉)

 昨年4月われわれかわさき市民オンブズマンは市が発注する環境局ごみ収集車に関して談合

の疑い充分ありとして公正取引委員会に訴えたものでありますが、その後の電話での問い合わ

せに対して同委員会は今調査中、様子を見ているとの変事のみで、正式には何の回答も得てい

ない。

 ところで一年経過した平成13年度の車輌購入執行状況、入札結果はどうであろう。川崎市に

対して情報公開を求めたが、それを見ればシャシー関係、これはすべて一位不動であり、架装

関係もそのほとんどが一位不動と見て間違いない、と言う結果である。

 これでは公正取引委員会はわれわれの訴え以後一年間何をやっていたのかと言う事になる。

小泉首相は昨年首相になってはじめての所信表明演説で、聖域なき構造改革、として「市場の

番人たる公正取引委員会の体制を強化し」となっていたが、最近の変質ぶりからして公正取引

委員会も弱体化させたのか?とに角このディーゼル・トラック業界は平成12年には山口県、熊

本県で「独禁法にもとづく不公正な取引」として公正取引委員会による勧告を受けているいわ

くつきの業界である。そのままにしておいたら何をやり出すかわからない。再度公正取引委員

会は目を光らせる事を望む。

 尚環境局収集課の担当者によれば、市当局より強力に収集車購入予算削減の指示が来ている

との事です。過去5年間の収集車購入予算の変化を掲げます。

 そこでやむを得ず耐用年数を10年位にのばしているとの事ですが、するとクラッチ、ブレー

キ、タイヤ等、部品、修理代がかさむと同時にエンジン効率(燃費)が悪くなり排気ガス問題

を発生させて来ているとの事です。「頭が痛いです」と話していました。



年度(平成)	予算額(千円)

  9	       542,293

  10        501,513

  11        411,091

  12	       346,623

  13	       321,075

	


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ワールドカップ狂想曲
(N.S.)

1.アンダンテ それはW杯開催国決定の直後から始まった。その誘致前哨戦に要した費用、

北は札幌から南は大分までの  巨大競技場の建設費、自治体による各国選手団の宿泊地誘致

費用と練習競技場の整備・建設費、巨額の放映権料等々、その他間接的費用を集計するとどの

位の金額になるのか 一例をあげるとフーリガン対策のために警察関係で100億円の費用と報

じられている。川崎市もご他聞にもれず誘致のためにおよそ2億円余をかけたが失敗に終わっ

ている。街にでればサッカー関連グッズであふれ、サッカー関連催事がめじろおしである。ま

るでサッカーで世の中が動いているかのようだ。

 とはいえアナウンサーの絶叫とサポーターの声援、悲鳴、歓声に辟易しながらも、ひとりし

らけて自室で音声をしぼり華麗なパスワーク、シュートにみほれ高視聴率に寄与した一人では

あるが。7月も終わろうとするいまもその余韻はさめやらず、はやくも4年後のドイツでの決勝

を目指せと煽っている。しかし一方では7月にはいりW杯の経済効果が皮算用であった記事もチ

ラホラでるようになった。一体、このW杯の収支決算はどうなのか、いずれ具体的数字が明ら

かになるにつれ、またもや苦い反省をさせられることを懸念する。



2.アダージョ こうした最中、660兆円の借金を抱え不良債権の処理がいっこうに進まない

日本の長期国債格付けは2ランクも下がり、巷には360万人を超える失業者があふれ、中小企業

は苦境に喘いでいる。この人達はどんな思いでこれらの試合をみていたのだろうか。一時の憂

さ晴らしにはなったかもしれないが、その人達にとってなんら問題解決になっていないことは

確かである。国外ではインド・パキスタン紛争、イスラエル・パレスチナ問題、米国・イラク

関係等一触即発の深刻な様相を呈しているのに。

そして熱狂的W杯のかげにかくされるように一方では今後の国民生活に深くかかわる重要法案

が着々と進められているが、サポーターはこの情勢をどう考えているのか。素直にスポーツの

感動にひたるのはよしとしても、同時にこれは異常なのではと感ずるバランス感覚と大局にた

った判断力を持つべきである。



3.アレグレット スポーツが体力増強、協調精神の育成、国際親善、国民士気の高揚等その

効用はいうまでもない。一方でスポーツに怪我はつきものとはいえ体力増強はそのためのもの

か、試合はまるで格闘技にちかく怪我人続出である。サポーターと代表選手との一体の協調精

神はともかく、サポーターはゴミをまきちらし深夜までところかまわず騒ぐ光景は、周囲にた

いする協調精神のかけらもない。審判の判定をめぐっては国際親善どころか険悪な雰囲気とな

り怨念まで残す。連日のマスコミの報道ぶりは太平洋戦争直前の国家総動員法公布後の戦時一

色、必勝神国日本よろしくサポーターを含めて日本必勝を声高に口にする。鉢巻に必勝のサポ

ーターの高揚し狂喜乱舞する集団は当時、連戦連勝のマスコミ報道に踊らされ提灯行列の祝賀

に浮かれた光景の再現のようである。なぜこうもマスコミや周囲の雰囲気に巻き込まれやすい

のか、国民気質の危険さえ感じたのは私だけなのだろうか。マスコミの一社でもいい、極端な

商業主義化、興行化に冷静さを呼び掛けてもいいのではないか。言論封圧の時代ではないのだ

から。




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水江町売れた、大損こいた
(清水芳治)



7月23日も暑い一日だった。私は京急小島新田で下車し、炎天下塩浜4丁目へと急いだ。神奈川

新聞3月21日の記事を検証するためである。

 川崎市は、川崎市土地開発公社が保有する簿価約25億5000万円の水江町の土地を、約7億円で

この5月にJR貨物に売却するとの案件を総務委員会に提出した。本来なら、塩漬け土地の売却と

して慶賀すべき出来事であるが、委員からは1998年の約11億7千万円での売却予定が、本年5月

の売却にずれ込んだため、約4億6千万円ほどの差損が生ずるので、市とJR貨物との売買契約の

「協議内容があいまい」だという批判が相次いだ、という。

 検証すべきは、@塩浜を買い水江町を売る売買契約は不可欠か、Aその理由に根拠があるの

か、B売買契約の履行に遅延が生じたことに合理的理由が存するか、Cそこから生まれる物語

があるのかの四つの点である。



 @「JR貨物は96年、塩浜地区に化成品タンク設備を計画していた。しかし、市は同地区周辺

に住居があることから不適当と判断、工業専用地域の水江町地区に変更するよう求めた。」話

はここから始まる。JR貨物ともあろうものが、建築条件を満たさないような建築計画を何故立

てたのか。また塩浜地区に化成品タンク設備を計画したことが不適当だからといって、何故川

崎市がその土地を買い取らねばならないのか。まず、「不適当」判断と塩浜買収、水江町への

建設あるいは水江町売却は切り離さなければならない。



Aしかも、暑い最中私が歩いてみた限りでは「同地区周辺に住居がある」とは思えない。周辺

事態ではないが、いかほどの距離を「周辺」とするのだろうか。その上、川崎市は塩漬け土地

をいっぱい持っているのだから、塩浜しか南部生活環境事業所建設用地がないとは言わせない。

したがって、川崎市民の立場からすれば土地交換風の売買契約をすべき合理的理由が存すると

は考えられない。



B一方、JR貨物は急いでいたらしく、「97年7月からは既にJR貨物の子会社が塩酸、硝酸など

の工業用薬品を一時的に貯蔵する化成品タンク設備を」水江町に「整備し、同社は賃貸料とし

て公社に年間4千万円を支払っている。」96年に話が始まり、97年にその話の設備のための土

地の賃貸があり、98年に売買する、それが筋立てである。「市総合企画局によれば、JR貨物は

当時、国鉄清算事業団の解散に伴う債務処理に関連して、国に追加負担金を支払わねばならず

財政的に厳しい状況だった。さらに市側も、公社が5年以上保有している“塩漬け土地”の実

態が社会問題化することになり、『水江町だけを先行処理せず、全体的な対応が必要』(担当

者)として売却が先延ばしされることになったという」のだが、皆さん、この弁明判りますか。

JR貨物から塩浜を約15億円で買い取り、水江町を約11億7千万円で売り払うという契約である。

持ち出しなら、建設不認可、持ち出し、厳しい財政状況(市財政は厳しくないとでもいうのだ

ろうか!)という政治的判断もあるかもしれないが、そうではない。「全体的な対応」とはい

ったい何か、「実態が社会問題化する」に至っては論外というべきであろう。



 C市の報告を鵜呑みにしたらしく総務委員会が根本的にこの問題を論じた形跡はない。JR貨

物が急いでいるならば高値で売り抜けるチャンスであった。しかるに、高く買って安く売る、

しかもご親切にもJR貨物の厳しい財政状況に同情して!契約の履行を遅らせる、川崎市の莫大

な入金を変な理屈を付けて意図も簡単に放棄する、われわれはそれをしもご立派なことだとい

う他ないのだろうか。時はまさに辣腕飯塚英教用地部長時代である。




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十字路

★ 佐藤貞男格言新集−その12
佐藤貞男

上正しからざれば国必ず滅ぶ



 現在の日本の状態を観るに総ゆる面(財政、政策運営、経済、教育、産業、環境、食料、

税制、世相の低下、不法行為の横行、就職生活の不安定と苦難、将来への希望の不透明さ)

に於いて危ぶまれる様相を感じます。

 その中から今回は財政面の危機のみを取り上げ、問題点を例を引き口語文と問答方式で

心を込めて語ります。それには現実を見極め、事実の話。県、市、町、村、特殊法人、公

益団体等諸々の国家、機関が巨額な債務と行き詰まり等の問題を抱え喘いでいるのをさて

置き、日本中央政府が抱えている問題、外交、治安、地方の衰退、景気の悪化、大企業で

さえ外国に呑みこまれて行く産業界の現状、リストラによる失業問題、日々変わる世界の

動きに対応する態勢等々未だ多くの早急に遣らねばならぬ仕事が山積していますが、今日

は財政面だけにします。



 今中央政府が作ってしまった債務は600兆又はそれ以上と聞きます、これは国家予算の

10倍、会社でも家庭でも年収の10倍もの借金が出来てしまったら、どうします、月々の収

入が有っても生活費に使うので大半は消える、残りの金で返済、これは大変なこと。況し

てや借金に次ぐ借金の財政体質なら猶更のこと。それに恐ろしいのは借金には必ず利息が

付く、この利子と言う代物馬鹿にならない、親が良く言った、夜さえ明けりゃ利子をとら

れる、利息は日曜も祭日も寝ててもだ、それに複利が加われば命取り、破産は当然だ、作

ってはならぬのは借金、仮に600兆を試算した、利率3%で年18兆、1日50億、1時間2億の

金が飛んで行く。もう雪だるま、返すのは中々減らないが膨らむのは早い、それに又大問

題が控えている、逃げられない現実。日本の宿命、ベビーブームの人即ち団塊の世代の人

たちが15年先黒雲の様に2000万の人達が老人となって押し寄せて来る、それなのに今15歳

〜40歳の少子化時代の若者達がこの難局をどう受けて立てるか、今20歳〜30歳代の人達は

気を抜くと言うか30%〜40%の人がフリーターとかアルバイトの様な職に付いていると統

計が出ている、農・漁業も資本の流入もなく、老齢化で再生不可能、現に衣料は勿論のこ

と機械電器電子、食料品も主要生産物は安価に出来る中国東南アジヤで、コストの高い日

本は失業国家になるのは時間の問題。それは何故か。為政者が、お上グループと庶民グル

ープとの二つの世界を作って仕舞った。戦後日本の経済の発展は自助努力も有ったが偶々

起きた、朝鮮、ベトナムの血に依って得た僥倖の恩恵であったのに、日本の高官迄が恰も

自助努力のみで日本は経済大国だと振れ回った事は誠に恥ずかしい事実である。そして油

と国民は搾れば搾る程出ると税として吸い上げた、その金を赤字承知の処や、体制維持の

為め全労、日教組にスト回避の条件として高額、高賃金、待遇を上げ無駄な事に国庫(税

金)を使い、足りない分は国債、昭和38年頃急速に借り出した事実、未だ未だ政府は国民

から吸い取ろうとしているだろうが、これ以上やったら一揆が起こるやも知れぬ、抜本的

政策を行わない限り日本は立ち直れない。日本のコストは高過ぎる、先ずお上から襟を正

す為め賃金待遇の削減、難しかろうが、日本人の取る道は耐え忍ぶ事、今迄は遊び過ぎ、

そうしなければ経済敗戦国に成って仕舞う、子孫の為めに旅行も温泉も止めよう。為めに

成る事こそ立派な人生。


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会計報告
平成14年4月1日〜平成14年7月23日

   収入               支出

前期繰越       263,995	会報発行費         28,892

会費         182,000	会議資料           2,620

資料販売       18,000	公文書写し代         1,810

寄付金        71,560	会場費           11,160

	            事務用品費           315

	            通信費            8,102

	            備品消耗品費          504

	            全国会費          10,000

	            雑費            30,070

収入合計       535,555	支出合計          93,473

	            残高            442,082



青木澄子さん、トライアングルの皆さん、佐藤宣雄さん、森本雄二さん、

カンパどうも有難うございました。




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