会報 第23号 

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★☆★〜もくじ〜 ★☆★
★第5回定期総会
▼2001年度活動方針(江口武正)
▼総会の記録(巽 栄作)
▼市民オンブズマンの名称変更をめぐって
★横浜地裁、川崎市長に南伊豆の保養所用地取得 指し止めを命じる
▼かわさき市民オンブズマン連戦連勝(渡辺)
▼あまりにも不明朗な取引だった!判決を聞いて(清水芳治)
★政務調査費アンケート
▼市議会議員のコメント
★会員拡大ワーキング・レポート(塚本)
▼4月14日(土) 春快適
▼5月19日(土) 晴爽
★十字路
▼自然体で(望月文雄)
▼小泉新内閣発足に際して思う(佐々木玲吉)
▼市民運動から政治活動を考える(多摩区:塚本)
▼佐藤貞男格言新集-その5(佐藤貞男)


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第5回定期総会
2001年度活動方針
                            江口武正
総会では、今年の方針について下記の項目を説明した。

活動の最も重要な案件の1つである南伊豆保養所用地事件(公金支出差止請求) については既に5月16日に我々が完全勝利する判決が出ており、マスコミにも大 きく報道され、今年度も幸先の良いスタートを切った。又市会議員の政務調査費 に関しても全議員に対するアンケート結果につき5月22日に記者会見を行い、23 日朝刊(神奈川、読売、東京に掲載された)にかなり大きく報道された。「かわ さきファズ株式会社」の監査請求を近々に実施する予定でいる。多くの懸案事項 が未解決でありさらなる追及が必要であり、息をつけない状況だといえる。
いずれにしろ今年も会員の皆様の協力を得て、さらに大きな成果を揚げ川崎市政 の向上に寄与したい。

                

 記

『2001年度活動方針案』
本年度も本会の目的である「川崎市の行政全般について情報公開を求め、不正不 当な財政行為を監視し、それらを是正する」活動を力強く実施する。

1. 税金の無駄使いを正す活動。

 1.1 塩漬け土地

    健全化対策の欺瞞追求

    新しい疑惑土地の解明

 1.2 談合

    公用車談合追求

 1.3 第三セクター

    「かわさきファズ株式会社」三度目の監査請求

    「かわさき港コンテナターミナル(KCT)」

 1.4 議会、行政

    政務調査費公開要求

    官製オンブズマンの費用対効果の追求

    傍聴活動

2. 法廷闘争に勝利し、行政の不正を正す活動

 2.1 水道メーター談合事件(損害賠償事件)    1997. 8. 7 提訴

 2.2 南伊豆保養所用地事件(公金支出差止請求)  1998. 5.20  提訴

    判決: 2001年5月16日 13時10分  横浜地方裁判所

 2.3 いすゞ自動車所有地鑑定書公開請求事件(情報公開請求) 

        1999. 5. 20 提訴  2000. 11.29 勝訴、 市が上告

 2.4 川崎高速縦貫道土地払下げ事件(現状回復請求)  1997.12.25 提訴

     2001.2.7. 高裁勝訴、確定

     川崎市の判断を監視---状況により行動

3. 情報公開を進める活動

 3.1 4月1日施行の情報公開法(国)の活用

 3.2 現行情報公開条例の活用を図る中で、要改善点につき改正を求める活動

 3.3 全国市民オンブズマン連絡会議と連携し、調査等で協力

4. 組織の活性化を図る活動

 4.1 会報発行(隔月)、ホームページ拡充等の広報活動

 4.2 関係諸団体と連携交流を図り、当組織活動への理解協力を得る活動

 4.3 月例会、市民集会、学習会等の開催

 4.4 会員増加により、組織の拡充を図る



川崎市民オンブズマン第5回定期総会記録

巽 栄作:記録 エポック中原大会議室 
2001年5月12日 13:40〜
 (当日はあまりにもいい日和であったので、行楽に出かける人が多かったせいか参加 人数が少なかったように思う。約30名の参加で始まり、遅れてくる人もいたが40名ぐら いの参加であった。)

渡辺さんの司会で始まった。

  1. 篠原代表幹事から挨拶
    ハンセン病判決では不作為を賠償する判決が出た。(その後、小泉首相が控訴断念 したのはご周知のとおり。)
    米潜水艦によるえひめ丸事故においては、日本政府が追求しないので、遺族8人が 訴訟を起こすことになった。このように市民による追求がますます大事になってきている。
    今年もがんばりましょう。
  2. 清水事務局長から2000年度の活動報告がされた。
    三田工業事件で勝訴確定した。
    鑑定書情報公開請求一審勝訴。
    全国大会にて、土地開発公社の存在意義を問うた。
    FAZへの監査請求を行なった。もうすぐ第4回の監査請求をする予定である。
    ゴミ収集車の談合問題を調査し公取委に告発した。
    会員拡大ワーキングを展開した。
    情報110番を開設した。(振り返ってみると、短い1年間であったが、継続テーマの 裁判結果が続々と出る中、ゴミ収集車談合問題など新しいテーマにも取り組んだ 1年であった)
  3. 市川さんと草柳さんから会計報告がなされた。
    過去赤字続きだったのでこれを克服するために活動をおこなった。たとえば会員拡 大ワーキングや、支出のルールを話し合ったこと。
    項目別に会計金額が読み上げられた。

    (清水事務局長から本日所用により欠席の辻村会計監査からの監査が行なわれた ことを報告した。)

  4. 市川さんから予算紹介がされた。
    項目別に読み上げられた。
  5. 2001年度の活動方針が江口代表幹事からなされた。
    税金の無駄遣いを正す活動として、塩漬け土地の健全化対策があげられる。また、 政務調査費(月40〜50万円)の公開として、各議員に呼びかけた。各議員に対する 意識調査については、他のテーマでも続けていく。官製オンブズマンの給料78万円 の費用対効果を追求する。
    法廷闘争に勝利する活動として、水道メータ談合事件、南伊豆保養所用地事件、 いすず自動車鑑定書公開事件、三田工業事件、をすすめる。
    組織の活性化を図る活動として、他団体との交流をすすめる。会員活動ワーキングもすすめる。

    FAZの件について詳しく話された。
    7月14日に外部監査報告がされている。
    いろいろな具体的提案がされている。
     ・ 利息は債権として確定すべきである。
     ・ 金融機関に変な念書を出すべきではない。
     ・ 市長が代表者を勤めるのは問題。
    など。

  6. 清水事務局長から2001年度の人事案が発表された。
    代表幹事が一人辞任した。奥田代表幹事。会計が渡辺さんになる。顧問は、黒田さんが増え3人になる。 幹事は、望月さんが幹事になる。

以上の一括質疑がされる。
質疑の始めに、佐々木さんからゴミ収集車談合について一言。
いろいろな分野で談合のうわさは聞いているが、ゴミ収集車の過去12年分の入札結果を見てみた。 一位不動があったので、3年分を分析し、公取委に告発した。公取委から12年度分の要求があり、 すぐに取り寄せて渡した。ディーゼル4社に対する動きが出てきている。

兵頭:
簡単な提案として、会の名称が官製とまぎらわしいので、名前を「かわさき"住民"オンブズマン」に 変えたらどうか。今は手柄を官製の方に取られているのでは。
篠原:
引き続き討議をしたい。マスコミがアクセントをつけてくれれば、分離できる。また、官製オンブズ マンへの追求をしていきたいと考えている。

一括採択が拍手によってなされた。

2001年度の役員紹介が塚本顧問からユーモラスになされた。幹事に新任した望月さんから、 挨拶がされた。4年ほど前に外国籍の採用が始まった折に、運用規定がされた時に、撤回させる運動 の代表をやったことがある。そういう経験がお役に立てればと思います。

奥田代表幹事から退任の挨拶がされた。まことに申し訳ないが、期するところがあり、任期満了をもって 退任させていただきます。ご支援のおかげで貴重な活動経験が出来ました。塩漬け土地は全国的な テーマとして、認知させ、自治省や市を具体的に動かすことが出来ました。
 代表幹事、事務局長をはじめとする、幹事会員各氏にお礼を申し上げます。神奈川の方々にもお 世話になりました。プレスの方々にも、報道をいただき感謝しています。
 川崎都市問題研究所をスタートします。財政問題の中、地下鉄という大きな問題が市民の意見を聞 くことなく進められようとしています。市民の目で調査研究したいと思います。
市長選もあり、政治的な動きをしていく予定です。今後も一会員として、オンブズマンに協力していきます。

以上で、第1部総会は終了した。

次回幹事会の連絡:15日(火)エポック中原7Fにて行ないます。

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第2部
司会の佐々木さんから、全国代表幹事の大川さんの紹介がされた。

大川さんの講演;スピーチとして感じていることを2、3話します。
(2,3は謙遜で、内容は盛りだくさんでその10倍ぐらいあったのではなかろうか)
三田工業事件では、大きな意義があった。以前から住民訴訟は狭い見方と広い見方があった。狭い 方の見方は実損害がないと住民訴訟できない。広い見方は違法なことをさせない制度であるというも の。今回の判例にて、広い見方の主張が確定した。
価格は適当でも賄賂を送った人だけに便宜を図るというようなことが、認められると社会秩序がこわれ てしまう。例えば、横浜市で道路を払い下げしてしまった問題がある。価格が適当でも、払い下げが 違法として住民訴訟が出来る。
 地方自治法住民訴訟改悪案がある。一つは、損したかどうかだけで枠をはめた法律にしてしまおう というもの。もう一つは、個人や業者を直接訴え出来ないものとするもの。住民が自治体と訴訟して、 自治体が業者と訴訟する2段階では、自治体として反論していた側であったものが、次の裁判で攻撃 側に入れ替わってうまくいくはずがない。

神奈川21世紀座のテントを買い上げる問題がある。民間が投げ出したものを県直営でうまくいくはず がない。ワイルドブルーが廃業するものを横浜市が買い取ろうとしている。手塚治ワールドもオンブズ マンでよく研究した方がいい。しかし、これらも額としてはかわいい。毎年、何兆円もの公共事業がな されている。
政府の都市再生本部に気をつけたほうがいい。これは都会に重点的に金を持っていくことによって、 都会の票が戻ってくるのではないかというものである。たとえば、容積率を拡大し、インフラ整備しよう というもの。産業廃棄物も役所でごみ焼却しようというもの。スーパー下水道は、台所の野菜くずも受 け入れるというもので、管をつけかえることになる。このような、大きな税金の無駄遣いを見据えていか なくてはいかない。
一都三県四政令市のネットワークを川崎中心に作っていって欲しい。
(話上手な大川さんから、以上のように非常に中身の濃い講演がされた。ここで残念ながら私は別の 用事があり、講演半ばにて退席しました。)
以上

市民オンブズマンの名称変更をめぐって
                                  N.S
 官製オンブズマンと私達の民間オンブズマンの名称は、混同され誤解をまねくので名称 を変更してはという意見がでている。たしかに文字で表記すれば漢字とひらがなで区別で きるとはいえ、音(おん)では殆ど同じであり一般市民ばかりでなく私達オンブズマンに入会 したての方々の一部からもそれまで混同していたという声があるのは事実である。かながわ 市民オンブズマンを設立するまえから川崎市市民オンブズマンの存在を知っていた者とし ては、名称が多少まぎらわしいとは思っても、私達こそ正統派市民オンブズマンであるとの 自負があったのでこの問題については一顧だにしなかった。

 結論からいえば私はこの問題にさほどこだわっていないし、私達の名称を変更するまでも ないと私は思う。むしろ変更するとすれば、官製のほうこそ変更すべきではないかと考える。  ただ、会員の一部から変更してはという意見があるのだから、検討の材料として私見を述 べてみたい。
 かわさき市民オンブズマンの名称は平成9年設立以来、マスコミでも再々とりあげられて おり、官庁関係にも知られた団体となっており、ことに裁判をつうじ、司法関係では定着し ていると考える。いまここで変更することは、一般市民の混同よりももっと混乱を招きかねな い。また全国各地の民間オンブズマンの名称は必ずしも統一されていないが、私達と同様 の「ひらがなの地名+市民オンブズマン」の名称を使用しているところがかなりある。(約2割 )ここ数年、各種オンブズマンが各地で設立されているが、なかには私達の志とは逆のオン ブズマン活動をしているものもでてきており、この面でも混乱がしょうじている。この際、「ひ らがな地名+市民オンブズマン」に統一すべきではないかと考える。

 一方、官製の「川崎市市民オンブズマン」の名称についてあらためて考えてみると、この 制度導入にあたって名称決定の際、「・・監視官とか護民官などといった固い名称を用いる よりも・・市民オンブズマン、市政オンブズマン、もしくは行政オンブズマンも考えられるが、 市民の利益を擁護するための、市民の代表という意味合いからいって『市民オンブズマン』 と命名するのが最適である考える。」と由来を述べている。
 しかしながら@オンブズマンの候補者自体、行政で選んだものであり市議会にはかったう えではあるが、その最終決定は市長であることからみても市民の代表とは言えない。Aまた そのオンブズマンは、市から高額の報酬を得ており、任期中の身分は非常勤の特別職であ り市民の立場をはなれている。  このように、公募でもなく、一般市民の関与しない形で行政側が決定したオンブズマンをど うして市民の代表といえるであろうか。

 昨年11月末で条例もしくは要綱により設立されている官製オンブズマンは全国各地で21 ほどあるが、地方自治体名に市民オンブズマンを名乗っているのは、川崎市市民オンブズ マンのみである。他は地方自治体名+オンブズマンまたは行政オンブズマン(8)、地方自 治体名+苦情調整委員または苦情審査員(7)などの名称であり、秋田県のみが秋田県県 民行政相談員とまぎらわしい名称となっている。

 こうしてみると、川崎市のみが実体にそくしていない名称を使っているのであって、むしろ、 名称変更するならば川崎市の官製市民オンブズマンの方こそ変更すべきではないかと考える。  以上検討の材料にしていただければ幸いである。

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